TENTOの国語学習

 TENTOで最初にまなぶことは、コンピュータを自在に扱うために必要な技術、タイピングです。
 この「タイピング学習」、じつは国語の学習にものすごく役立ちます。

 日本人である以上、タイピングを学んで最初にやることは日本語を打つことです。
 ローマ字つかってひらがな打って漢字変換。ひらがな打って漢字変換。その繰り返しです。

 きちんとした国語知識がないと、ここで「誤変換」が起こります。「橋を使って五班を空」……ああ、ヘンな日本語! 頭の中にある日本語は正しいのに!
 これは大げさな例ですけど、正しい国語能力の不足から起こる記述ミスは、ネットのそこかしこにいくらでも見出すことができます。

 TENTOでは、タイピング学習と同時に、正しい国語/漢字/ローマ字の使い方をまなびます。
 タイピングをある程度習得してきた後は、学校教育の素材にもちいられることも多い日本文学の傑作をタイピングしていきます(毎回5~10分程度)。

 かつての寺子屋では、子どもたちに意味も教えず『論語』や『春秋』などの漢籍を読ませていました。
「読書百遍、おのずから通ず」、つまり何度も読んでいればそのうち意味はみえてくる、という考え方ですね。
 残念ながらTENTOには「読書百遍」を実行する時間はありませんが、無機的にコンピュータを扱うのではなく、言葉の意味の学習や文学の鑑賞も、時間のゆるすかぎりおこなっていきたいと考えています。

TENTOの算数/数学学習

 TENTOで計算練習はしませんし、文章問題を解くこともありません。
 でも、そういった算数/数学の問題を繰り返し練習するのと同じほど大きなものを、プログラミングという作業は与えてくれます。
「数学的思考力」と呼ばれるものです。
 今、目の前にある問題をうまいこと解決したい。めんどくさい・泥くさいやりかたでなく、スマートで簡潔な方法でやりたい。
 世の中に「プログラマ」「エンジニア」と呼ばれる人はたくさんいますが、その実力を分けているのは、じつは「数学的思考力がどれほど備わっているか」だったりします。
 TENTOに通い、プログラミングを覚えるうち、子どもたちには自然に数学的な思考力が養われているはずです。

TENTOの英語学習

 TENTOでまなぶ知識は、日本ローカルなものではありません。

 たとえばプログラミング言語は、日本だけで使用されるものではなく、世界中で共通して使用される「機械に話しかけるための言葉」です。これが使いこなせるだけで十分に世界を舞台に活躍できるスキルをもっているといえますが、じつはプログラミング言語って、ほとんどが「英語」に由来しているのです。
 言語の多くがIT先進国アメリカでつくられた、という事情もありますが、なにより漢字・ひらがな・カタカナと文字種がたくさんある日本語とちがって、英語はすべての文章をアルファベット26文字で記述できるという利点があったことが大きい。
プログラミングをまなびながら、子どもたちは「英語のクセ」に接することになります。

 また、WWW(World Wide Web)、プロパティ(Property)、プロトコル(Protocol)など、IT用語にはわけのわからんカタカナ言葉が頻出しますが、すべて英語に由来していて、英語を理解できる人はするっとわかる言葉ばかりなんです。
 TENTOではこうした言葉を知ることによって、英語に親しくなります。

 また、TENTOで覚えるタイピングは、すべてローマ字入力です。アルファベットの発音は、これでだいたいわかります。じつは、ローマ字が扱えないために英語がわからない、という子はものすごく多いんですよ。